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ドキュメンタリーで見るラフ・シモンズの挑戦:『ディオールと私』とオートクチュールの舞台裏

今回の記事は、ファッションの映画です。
レビューと、映画を見て気になったことについて調べたものを書いておきます。(最後にランウエイの動画も載せております!!)

私はこの映画が大好きで、とても気に入ってしまったため、DVDを買って何度も見ています(笑)
//そもそもドキュメンタリーが好きというのもあります。

クチュリエ(デザイナー)は、ラフ・シモンズさん。
ラフさんは、プレタポルテ(既製服)のデザイナーでしたが、
この『ディオールと私』の期(2012秋冬)から初めてオートクチュールに挑戦するという、なんともスリル満点なドキュメンタリーです。
メンズのスーツなどを手掛けてきたラフさん、この映画を機に、しばらくディオールのデザイナーになります。ディオールに抜擢されるだけでもすごい・・・

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the fashion postより

前々回の記事で、文庫クセジュの書籍『オートクチュール』の第一章を要約しましたが、
その中にも、メゾンのメンバー(オートクチュールのショーなどの準備をするために働く人)を書きました。
映画の中でも登場人物と役職を確認したところ、大体本に書いてある通りでしたが、新たな発見もございました。


主な登場人物
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※人物と役職はそれぞれ2012年当時のものです。現在のDiorメゾン内のメンバーは異なる場合があります。

クチュリエ(デザイナー):ラフ・シモンズ
アシスタント:ピーター・ムリエ(ラフの右腕)
↑ 二人ともベルギーのご出身。

アトリエ主任:エステル(?)
ドレスの主任:フロランス
スーツの主任:モニク
↑ドレスとスーツそれぞれの主任がいるメゾンもあるのですね。


ファブリックコーディネータ:ナディア

LVHMのディオール会長:ベルサール・アルノー
ディオールCEO:シドニー・トレダ

お針子さんのお仕事もたくさん、こんなに近くで見てよいのかしらと思うような、リアルなドキュメンタリーです。
ベテランのお針子さんだと、44年ディオールのメゾンで働いているというマダムも。まさにディオール育ちですね。
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ラフさんはデザインの際、スケッチを描かず、テーマ別に画像ファイルを用意して、それを基にデザイナーにたくさんスケッチを描いてもらい、
その中からいくつか選んで採用し、手直ししていく、というやり方。

ディオールのメゾンのお針子たちも、クチュリエから渡されたスケッチの中からそれぞれ好きなものを選び、制作に取り掛かります。🧵🧶

今回ラフがインスピレーションを受けたのは、
スターリング・ルビーのスプレー画。筆は使われていないとのこと。

作者は、幼い頃にロッテルダムで開催されたニューヨークのグラフィティ・アートの展覧会を訪れた際、初めてエアロゾル・アートに触れた。その時にギャングの「タギング」、中でもストリートでの表現と都市での境界線に魅了され、2007年に最初の大規模なスプレーペインティング作品を制作した。ロサンゼルスに住んでいた作者は、無数の覇権主義的・集団的蔑称が刻まれた建造物に囲まれて生きていた。その環境への関心は自然と作品へ反映されたが、徐々に概念的な方向性は薄れ、より自己を意識した作品へと進化した。それはキャンバス上の形式の変化にも現れており、多くの作品が描くという行為そのものに意識が向いていたと捉えられる。
作者の視点と作品の視覚的要素を合わせると、聖と俗という二項対立が生まれる。崇高な芸術家の視覚言語を文脈としながら、特定の文化的な意味を持ちうるスプレーペイントという媒体を通して自己表現をする。作者は、既存の手法を改めて用いつつ、新たな形と意味を与える独自の技法を貫く。

twelve books より引用

 

もう一つ、ラフが大切にしていたのは、ディオールの「ニュー・ルック」。
戦後の女性が求めていたフェミニンなスタイル。戦時中はあまり女性らしいファッションを切ることが出来なかったのだと思われます。

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ディオールのメゾンには、1947年の「ニュー・ルック」で使った布が少し残されていて、
その生地を見ると、お花の模様が入っていました。布にお花の絵をプリントするのではなく、布の糸自体に染色して柄を描くことで、微妙なニュアンスが出て、絵の筆づかいを再現するような質感なのだそうです。(ワークプリント?)
それをラフも実現したかったようで、スターリングルビーのスプレー画の布を作ってもらうように、業者に依頼してくれと言っています。

プレタポルテ出身のラフは、手探りでオートクチュールに挑戦していますが、プレタ出身のラフは、なかなか仕上がらないオートクチュール作品に、
またオートクチュールのメゾンの人々は、顧客からの注文を受けながらコレクションの準備を進めている中で、こんなデザインを短期間で準備するなんて無理!と言わんばかり、お互いにストレスを感じている様子。

妥協せず諦めないラフの挑戦に何とかこたえようとするメゾンの人々、みんな必死にコレクションの準備にいそしんでいます。

ちなみにショーの会場はイエナ通りとありますが、具体的な建物名は何でしょう。どなたかわかる人がいらっしゃいましたらコメントでご教唆いただけますと幸いです♪

映画の中では少ししか流れなかった、実際の表舞台の動画もありました💖
ラフが手掛けたドレスのランウエイです💐

壁全面、生のお花で埋めていて、お部屋毎に違うお花を飾っています🌹
いい香りが漂ってきそうです(*^^*)
ラフとしては、演出を考える際、「ジェフ・クーンズ」さんの、お花だけでできた子犬のオブジェを思い出したらしく、そこからインスピレーションを受けてお花の壁を作ったそうです。

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全部お花でつくられた犬



あと、最初からお顔にかぶっているマヌカンさんもいらっしゃいますが、最後は全員フェイスベールのようなものをつけていますね。ラフの案なのでしょうか。
他のラフのコレクション発表時には特に装着していなかったので、やはりこの時だけ何か意味があってつけていたのかなと思われます。

https://www.amazon.co.jp/YOKWI-Color-Black3/dp/B0BGR7BQR7?th=1

フェイスベール 映画の中では見られなかったドレスもたくさん出てきます!
全54体!!!👗
これを、デザインから制作まで、たったの8週間で準備する体力と集中力、
異常ですね。
・・メゾンの皆様、大尊敬します。

ピンク色のビーズが刺繍されたドレスなんか、当日の朝に仕上がるというハラハラな展開。
映画の中で、メゾンの方たちが徹夜で作業している場面もありましたが、もう慣れっこなのでしょうね🍬☕

ラフがこれまで手掛けてきたスーツと、
ディオールの「ニュー・ルック」の融合とも見られるデザイン、かっこいいです!「ニュー・ルック」のようなドレスを短く切ってトップスにして、ポケットまでつけています◎👀

それからモデルさんの髪の毛、綺麗ですね💖
アイメイクの、白いポイントメイクも可愛い(^^)

またラフさんは、人見知りで、人混みもカメラも苦手な性格なのですが、
ランウェイの最後、各お部屋からお顔をちょっと出して手を振る程度にとどめているあたり、なんだか可愛らしいです(^^)
映画ではラフさんがお偉いさんと握手しているところや、隣の部屋に移る時に颯爽と走っている場面を映していましたが、ちょっと内気なところも垣間見られて、貴重な映像だなあと思いました。

 

以上です(^^)/
とても素敵な映画なので、皆様にもぜひおすすめしたいなと思いました🌹

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♪♡デザイナーさんに素敵なチラシを作成していただきました♡♪

ありがとうございます!!!(*^^*)♪

 

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